富士山は1707年の噴火以来、300年以上も休んでいるみたいですね。
美しい山容は多くの人を魅了してきましたが、いつ噴火してもおかしくないと言われています。
90km離れた東京にも火山灰が積もり大きな被害が予想されていますね。
そこで今回の記事では、富士山が噴火した場合に東京に火山灰がどのくらい積もり、どのような影響を受けるのかをまとめてみました。
富士山の噴火で東京に火山灰は届く?
富士山の噴火を予知することはとても難しいみたいですね。
なぜならマグマがどの程度溜まっているかがわからないからです。
たとえば桜島なら10kmぐらいの深さ、伊豆大島や三宅島はだいたい8~10kmぐらいの深さにマグマが溜まっている所があり、人工衛星で山の膨らみを測ることで変化がわかる様です。
しかし、富士山は、20kmよりも深いところにマグマがあるため、それを測ることができません。
10kmくらいの、浅いところにマグマが上がってくるまでわからないのですね。
噴火した場合は、東京にも火山灰が積もるのは確実のようです。
東京にも火山灰が積もる
2019年3月に公表された情報によりますと、国の検討会が公表したシミュレーションでは、富士山で大規模な噴火が生じた場合に首都圏でも数cmから10cm余りの火山灰が積もるみたいですね。
富士山で1707年12月の「宝永(ほうえい)噴火」と規模が同じ大噴火が発生して、15日間続いた場合、富士山周辺から関東にかけての各地で火山灰がどのように積もっていくか、時間ごとに計算されています。
その計算によると、静岡県御殿場市付近では1時間に1cmから2cm程度の灰が降り続き、最終的に1m20cm程度にも達するとしています。
80km余り離れた横浜市付近でも1時間に1mmから2mm程度の灰が断続的に降り、最終的には10cm程度積もると見込まれていますね。
90km以上離れた新宿区付近では、噴火直後は灰は降らないものの、13日目以降に1時間に最大1mmほど降り、最終的に1.3cmほど積もるとされています。
富士山の「宝永噴火」は、今から300年以上前の江戸時代中期、1707年12月16日から始まって1月1日まで続きました。
富士山はいつ噴火してもおかしくない
富士山の歴史を5600年前ぐらいまでさかのぼると、平均で30年に1回ぐらいのペースで噴火しているそうですよ。
ではなぜ、300年以上という期間が空いているのかは不明で、研究者からはいつ噴火が起こっても全然不思議ではないと言われています。
死火山ならば、300年前の噴火が最後という可能性もゼロではないそうですが、2000年から2001年にかけて、富士山の下で深部低周波地震と呼ばれる地震が頻発したことがあるそうなのです。
その地震は、富士山の下でマグマあるいはマグマから分離した水蒸気みたいなものが動いているときに起きると考えられていて、富士山の深いところにマグマが存在していると推測されるようですね。
よって、300年前で全て終わったと考えることはできないそうですよ。
富士山の噴火で火山灰の影響は?
国の検討会でのシミュレーションでは、90km以上離れた新宿区付近でも、噴火直後に灰は降らないが、13日目以降に1時間に最大1mmほど降り、最終的に1.3cmほど積もるとしされています。
火山灰が積った場合、帰宅困難者になるかもしれないし、流通が止まったり、停電や断水も心配になります。
どのような対策が必要か調べておくことが大切ですね。
交通インフラの麻痺
噴火してすぐに航空路が使えなくなるようですね。
灰が降り始めるのが、噴火が始まってから近いところで30分、少し離れたところで1時間ぐらいと予想されていて、次に止まるのが鉄道のようです。
わずか0.5mm火山灰が積もっただけでも鉄道が止まるそうですよ。
0.5mmだと道路では白線が見えるか見えないかぐらいの状態で、車は走れても火山灰で光が遮断されてしまいます。
先が見えないのでのろのろうんてんになり、渋滞が起きてしまいますね。
噴火がさらに続き10cmを超えると普通の車はとても走れないそうです。
このように交通インフラは非常に早い段階で麻痺してしまいますね。
停電
送電施設に3ミリ以上の火山灰が積もり、さらに雨が降ると、ショートするなどして広範囲が停電するおそれがあります。
また、今の首都圏の電力は、湾岸地域の火力発電所で賄っています。
火力発電所は、飛行機のエンジンと同じで、空気を吸い込む必要があり、そこにゴミが入らないように巨大なフィルターがあります。
そのフィルターは火山灰を一緒に吸い込むとすぐに詰まり、詰まると発電できなくなるのでどんどん発電能力は落ちるらしいです。
巨大なフィルターなので、取り換えようといっても、足場を組んでいるうちに、広域停電が起こってしまうようですね。
断水
2mm以上の火山灰が積もると、一部の浄水場は稼働できなくなり、水の供給に影響が出るおそれがあるとしています。
首都圏で巨大地震が発生した場合と同じ様に、水や食料は1週間分ぐらいは備蓄しておくことが大切ですね。
人体への影響
火山灰の粒子が細かいと、ぜんそくの方や肺に疾患がある方は、症状が悪化するなどの影響が出るとされています。
健康な人でも長時間、火山灰にさらされた場合、目や鼻に異常を感じ、深い呼吸をするとのどや気管支などに影響が出るおそれがあるとされています。
霧島連山の新燃岳の周辺などでは、火山灰によって肺に疾患がある人が症状が悪化するなどの影響が出たようです。
まとめ
富士山が噴火した場合の火山灰の影響をまとめてみました。
東京でも1.3cm火山灰が積もるかもしれないと言われています。
また、2019年3月に公表された降灰シミュレーションでは、平成25年や平成29年の12月と風向きが同じ場合、8センチから16センチの灰が積もるという結果が出ています。
風向きによっては被害の大きさがだいぶ異なる様ですね。
富士山がいつ噴火しても慌てない様に、首都圏で地震が起こったときの備えとほとんど同じですが1週間分くらいの水や食料の備蓄は必要のようですね。
お読みいただきありがとうございました。